「ピアノで伴奏する際の音の分量はどれくらいが適当か。」
音量のことではなく伴奏する際に実際に音を出す音数のことです。
ここ数年の僕の課題のひとつで、演奏する際にいかに音を弾かずに表現できるかの探求を心がけています。気を抜くとすぐ不必要に音を並べてしまって、弾き過ぎたと後悔する羽目になります。
ここで言う「弾きすぎ」とは
- コードの構成音を増やしすぎ・押さえすぎ
- リズムパターンの演奏が細かすぎて隙間がない
の2パターンにあたります。
もくじ
どんな伴奏が良い伴奏か
弾きすぎを考える前に、まずどんな伴奏が良い伴奏なのか考えます。
- ボーカリスト(ソリスト)が安心して歌える
- 場面をうまくコントロールできている
- 最適なリズムが出せていて、共演者とグルーブできている
いろいろと要素はあると思いますが、僕が意識しているのはこの3つです。
「ボーカリスト(ソリスト)が安心して歌える」とは何か?
例えば「ここから入るのであってるかな?」や「音が取りにくいな」などと思われてしまう演奏はよくないってことですね。
イントロから初めて歌に入るところや2番に入るタイミングを、「はいどうぞ~」っと絶対にここやん!と分かるように導いてあげる優しい伴奏が望ましいです。
またメロディラインを理解したうえで、それを邪魔しないコードの押さえ方をしているかどうかも重要です。
「場面をうまくコントロールできている」とは何か?
曲というのはサビに向かって盛り上がったり(たまにBメロでいったん落ちる曲もあります)、Cメロで盛り上がってサビに戻る際に一度静かになるなどの仕掛けがあることが多いです。
盛り上がりに対応するためクレッシェンド(だんだん大きくする)して、サビに気持ちよく入れるようにお膳立てが出来ているか。
もしくは急激な音量の変化や演奏ポジションの変化でギャップを作り、ドラマチックさを表現できているかが大切です。
「最適なリズムが出せていて、共演者とグルーブできている」とは?
楽曲の持つビートを正しく理解し、ヨレずにテンポをキープできること。ピアノパートを再現するだけではなく、楽曲全体の持つグルーブ感を再現することが重要です。
そして共演者の音をしっかり聴き、お互いに気持ちよいひとつのグルーブを共有することです。
弾き過ぎないために
良い伴奏を念頭に入れたうえで、過剰な親切にならないように音を吟味しないといけません。タイミングの良い適度な親切はありがたいですが、過剰な親切と干渉はただのお節介でうっとおしいだけですよね。
コードの構成音は必要最低限を意識し、何でもかんでもテンションを入れたりせず美しい響きを目指します。リズム面でも一人で演奏してるわけではないので、二人が合わさったときのバランスを考えましょう。
伴奏は引き算の考え方で不必要な音はどんどん削るべきです。
共演者によって変わる必要な音
共演者のレベルや好みによって必要最低限な音は変わります。ただただ少なければいいというものでもありません。
未熟な共演者なら手取り足取り弾いてあげないと不安でしょう、これでもかというくらい優しく導いてあげましょう。
お互いを知り尽くした共演者なら極限まで音を減らせるかもしれません。音が少ないことによる自由度を楽しめるでしょう。
初めて共演する人との距離感を素早く知るのはとても難しく、日々訓練です。
まとめ
音を減らすのはとても勇気がいることです。
しかし一度減らし始めるとあれもいらない、これもいらないと気付き始めます。
- ピアノ伴奏は引き算
- 良い伴奏に必要な最低限の演奏をめざす
ただ親切なだけの演奏ではまだ不十分です、共演者との演奏に必要な最低限の音を目指してみてください!
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