ジャズやファンクのセッションでもブルース進行の楽曲を演奏することがあります。
少しセッション慣れしているピアニストなら、ソロを求められたらマイナーペンタトニックスケールを使ってアドリブをしますよね。
しかし何周もソロを演奏しているとマイナーペンタトニックスケールだけでは物足りなくなってきませんか?
この記事ではそんなあなたのためにブルース進行の楽曲でアドリブをかっこよく演奏する方法をご紹介します!
もくじ
1ランク上のブルースフレーズ
では早速フレーズを紹介していきたいと思います。
その後で詳しく解説していきますね。
上記の資料に記したフレーズは僕がブルースを演奏する際、実際に使用しているフレーズの一部です。
マイナーペンタトニックだけで演奏するより、ブルースフィーリングを感じられると思いませんか?
スケール
上記のフレーズに使用されているスケールは、
- マイナー・ペンタトニック・スケール
- メジャー・ペンタトニック・スケール
- ブルーノート・スケール
の3種類です。
それぞれのスケールの特徴を生かしたフレーズとなっているので、一つずつ解説していきましょう。
スケールの内容についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、よければご覧になってみてください。
メジャー&マイナーペンタトニックスケール・フレーズ
まずはメジャーとマイナーの各ペンタトニックスケールを用いたフレーズで、資料の①と③がマイナー、②と④がメジャーのペンタトニックスケールをもとにしています。
さらにメジャーとマイナーのペンタトニックスケールの違いは第2音と第5音にあり、それを差を生かしたのが①と②、③と④のフレーズです。
ブルースペンタトニックスケール・フレーズ
ブルースペンタトニックスケールとはマイナーペンタトニックスケールにブルーノートである「b5」を加えたスケールです。
使用法としてはブルーノートの両隣である4度か5度の音と絡めて使用することが多いですが、離れた音から跳躍してブルーノートを使用する場合もあります。
⑥と⑧はブルースの基本ビートであるシャッフルとマッチするように3連符が演奏されています。
ブルーノートスケール・フレーズ
メジャーとマイナーのペンタトニックスケールにブルーノートを加えたスケールで演奏されるのがブルーノートスケール・フレーズです。
メジャー3度とマイナー3度が混ざったサウンドが、よりブルージーな雰囲気を作り出していますよね。
さらにブルーノートスケールには♮7度も含まれていて、経過音として使用することがあります。
ただし♮7度はもっともブルースっぽさから遠い音なので、ブルースで使用するときは注意が必要です。
フライング・フレーズ
フレーズの音使いではないのですが演奏するタイミングでよく耳にするのが、⑬や⑭のような小節の1拍目に向かって飛び出して演奏するフライング・フレーズです。
曲の出だしやソロの入り口など、目立つ場面でよく使われます。
リズムの頭に向かって先行して演奏が始まるので攻めの姿勢を感じ、場面を仕切れる強気のフレージングなんですよね。
ピアノ流ブルースフレーズ
ここまでは他の楽器でも使える汎用性の高いブルースフレーズでしたが、この章ではピアニストがよく使うピアノ独特のブルースフレーズをご紹介します。
トップノート
ブルースフレーズを演奏する際にペンタトニックスケールなどからもう1音を選び、フレーズに合わせてトップノートに加える奏法です。
加える1音は7度やオクターブ上のルートが多く、次いで5度やb3度が使用される場合もあります。
2音以上の音が重なったフレーズはピアノで比較的簡単にプレイすることができる、とてもブルージーなアプローチなんですよね。
転がるピアノフレーズ
ブルースのシャッフル、ジャズのスウィング、ニューオリンズのセカンドラインなど、3連符を基調とするビートの上で16分音符を演奏すると独特のノリが生まれます。
コロコロと転がるようなサウンドなので「ローリングピアノ」や「転がったピアノ」とよく表現されるんですよね。
フレーズ集の中では⑦と⑭に「ローリングピアノ」サウンドが使用されているので、ぜひ挑戦してみてください!
ジャズブルース
ジャズブルースとはスリーコードのブルース進行を、ジャズ理論を利用して少し変化させたコード進行です。
ジャズのミュージシャンたちがブルースの形式を取り入れつつも、ジャズらしいアドリブが取れるように手を加えて演奏し始めたのがきっかけで生まれました。
これに関しては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください!
ブルース進行の楽曲
ブルース進行とブルース
ブルースから発展したジャンルであるロックンロールやリズム&ブルースをはじめ、ロックやファンクの楽曲にもブルースのコード進行を利用したものがたくさんあります。
それらの楽曲はブルースとは区別して「ブルース進行の楽曲」と呼ばれていて、あくまでブルースの形式を借りた別ジャンルの楽曲という捉え方なんですよね。
対してブルースの楽曲にはそれぞれに決まったイントロやキメがある場合も多く、一般的な12小節のブルース進行だけではなく8小節や16小節などのイレギュラーな楽曲もたくさんあるんですよね。
ブルース進行は覚えやすさからファンクやジャズのセッションなんかでもよく利用されていますが、ブルースセッションで演奏される正統派ブルースは楽曲を知らないと参加するのが少し難しいかもしれません。
8ビートや16ビートのブルース
リズム&ブルースやファンクではブルース独特のシャッフルではなく、8ビートや16ビートで演奏されます。
ビートによって楽曲のフィールも変わるため、演奏するフレーズのノリももちろん変わってくるんですよね。
下記の動画はブルース進行を利用したリズム&ブルースの楽曲『Mustang Sally』です。
原曲はウィルソン・ピケットですがピアノが入っているので映画『The Commitments』のサントラver.で。
最初にご紹介した資料のフレーズをシャッフルで利用する場合「8分音符=3連符」で演奏しますが、8ビートや16ビートに合わせる場合は楽譜通り「8分音符=8分音符」で演奏します。
また3連符は16分音符と8分音符の組み合わせで代用するのがオススメです。
アドリブソロの参考例
最後にご紹介したブルースフレーズを組み合わせてアドリブソロの参考例を作りました。
楽譜に記したフレーズとは演奏するタイミングを変えてあるので、うまく活用して応用法を覚えましょう。
ぜひ挑戦してみてください!
まとめ
いかがでしたか?
マイナーペンタトニックスケールでのアドリブに物足りなさを感じたら、ぜひブルーノートスケールを使ったフレーズやピアノ流のブルースフレーズに挑戦してみてください。
ぜひマンネリ化したソロに新しいアプローチを取り入れましょう!
「この曲の場合はどう弾いたらいいの?」「リズムごとのフレーズが知りたい!」など具体的で専門的なことが知りたい方は、よかったらレッスンを受けてみませんか?
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