【シティポップ・ファンク】16ビートに役立つピアノ伴奏法4選【バッキング】

近年再注目されているシティポップや最近のヒットチャートをにぎわすバンドやアーティストの楽曲には16ビートのものがたくさんあります。

この記事ではピアノで16ビートを演奏するために役立つリズムパターンのオススメを4つご紹介します。

16ビートについて

16ビートのピアノ伴奏をするなら、まずは「16ビートとは何なのか?」を知る必要があります。

特にオリジナルのピアノ伴奏を作るためには、必要不可欠な知識なんです。

手っ取り早くリズムパターンが知りたい人は次の章からご覧になってください。

16ビートとは

16ビートとは1960年代後半に誕生した音楽ジャンルの一つであるファンクと密接な関係にあるビートです。

ファンクの帝王と呼ばれたジェームス・ブラウンによって生み出され、当時最高に踊れるビートとして世の中に広まっていきました。

ファンクを始めとするダンス・ミュージックやフュージョン、シティポップや最近のJpopでも大活躍のビートなんですよね。

オーソドックスな16ビートには2拍4拍にバックビートがあり、ごくまれに2拍4拍からズレたところにバックビートを置くパターンもあります。

タワー・オブ・パワーのドラマーであるデヴィッド・ガリバルディの得意技ですし、ハービー・ハンコック『カメレオン』でのハービー・メイソンのプレイも印象的です。

また16ビートには通常通りの16分音符を感じて演奏するイーブンと、スキップしたようなハネ感のあるバウンスの2種類があります。

16ビートの見極め方

8ビートの時と同じくバンド編成のサウンドならドラムとベースのアンサンブルによって判別します。

ドラムを参考にする場合、特にバスドラムとハイハットがわかりやすいです。

ハイハットが1拍のあいだに「チ・キ・チ・キ」と16分音符を刻んでいたり、バスドラムが16分音符のウラのタイミングで踏まれているなど、16ビートを感じさせるアプローチをしていないか聴き取ります。

2拍目4拍目以外に使用されるスネアはフィルインやビートを際立たせるためのゴーストノートの可能性が高く、8ビートでも16分音符を使うことがあるので気をつけましょう。

もしくはベースのフレーズが16分音符を強調していないか聴き取ります。

ドラムのパターンとリンクしていればわかりやすいのですが、ドラムが8ビートのようにシンプルにアプローチし、ベースが16分音符のニュアンスを出している場合もあるので注意が必要です。

アンサンブルを総合的に聴いて16ビートかどうかを判断していきましょう。

16ビートの応用編

どっちかといったら16ビート

16ビートについて解説してきましたが、世の中の楽曲の多くは実は8ビートと16ビートのあいだくらいのノリであることが多いです。

とはいえ8分音符だけなら完全な8ビートなので、16分音符のニュアンスがある限りは「どちらかといえば16ビート」と言わざるを得ないんですよね。

演奏者同士のアンサンブルによって生まれたり、そもそもリズムパターン自体が判断の難しいものだったりすることがあるんです。

これに関しては一言で説明するのは難しいので別の機会に記事にしたいと思います。

16ビートバウンス(ハネ)

16ビートには1拍中の4つの16分音符がすべて均等な長さの「イーブン」と、長い短いが繰り返される「バウンス」の2種類があります。

「バウンス」以外にも「ハネ」や「スウィング」と呼ぶこともあり、ファンクやソウルなどのブラックミュージックで多く見られます。

長い短いの割合は最もハネた2:1や、ややハネた3:2など、楽曲によってさまざまなバリエーションがあります。

ピアノで16ビートを表現しよう!

①ドラムのゴーストノートをまねた定番パターン

16ビートのリズムパターンを作成するときには、ドラムのゴーストノートをまねるのがおすすめです。

下記はよくあるドラムパターンの応用で、3拍目の16分2つ目にゴーストノートとしてアクセントがあります。

J-popには欠かせないリズムパターンで椎名林檎の『丸の内サディスティック』や、Official髭男dismの『115万キロのフィルム』では基本のパターンとして使用されています。

②8分音符のシンコペーションを含むパターン

このパターンもJ-popには欠かせないリズムパターンです。

1拍目16分ウラのアクセントと3拍目に向かっての8分音符によるシンコペーションが特徴。

Official髭男dism『宿命』Aメロのぴあのアプローチは、基本的なアクセントの位置が同じです。

③両手をタイミングをずらしたパターン

本来ピアノという楽器はリズムを出すのが苦手なのですが、下記の奏法ならリズム楽器として十分に活躍できます。

右手と左手のタイミングをずらすことによって、より細かくリズムが表現できるんです。

参考曲としてはポーランド人アーティストであるバーシアの『Drunk On Love』や、ジャズ・ヴォーカリストであるアル・ジャロウの『Scootcha-Booty』。

どちらの曲もイントロでのピアノフレーズに使用されていて最高にファンキーです。

④ピアノが主導権を握るグルーヴィなパターン

ピアノがリズム楽器としてビートの主導権を握るパターン。

メロディアスに動くトップノートがとても印象的です。

山下達郎の『Sparkle』をさかいゆうがカバーしたバージョンでは、原曲のギターのニュアンスをピアノで再現するために上記のアプローチが使用されています。

またポップスではありませんがゴスペルシーンからはカーク・フランクリンの『Love Theory』、イントロのピアノが最高にグルーヴしています。

まとめ

16分音符は1小節の中に16個あります。

つまりそのうちどこのタイミングにアクセントを置くかで、数えきれないほどのリズムパターンが生まれるんです。

この記事でご紹介したのはほんの一例なので、「この曲の場合はどう弾いたらいいの?」「パターンごとのコツが知りたい!」など具体的で専門的なことが知りたい方は、よかったらレッスンを受けてみませんか?

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