【譜面作成のコツ①】そのコードほんとに#Ⅳdim7?

ミュージシャンが演奏する上で必要な資料といえば譜面と音源です。

ボーカリストやシンガーソングライターの方がライブやレコーディングでサポートをお願いする場合、ミュージシャンには演奏する楽曲の譜面を渡す必要がありますよね。

僕自身もサポートピアニストとしてさまざまな現場で演奏をしていますが、「提供された音源と譜面が異なっている」ということが結構あります。

もちろん音源とは違ったアレンジにするため意図的に変更してある場合は問題ありませんが、譜面作成の経験不足による間違いも少なくありません。

この記事では譜面作成の際に間違いが起こりやすいポイントを紹介し、正確で読みやすい楽譜を書くために必要なテクニックと考え方を発信していきます!

そのコードほんとに#Ⅳdim7?

ポップスの楽曲によく登場するコード進行のひとつにⅣ-#Ⅳ-Ⅴという流れがあります。

Key=CならFmaj7-F#dim7-G7などですね。

元々Keyには存在しないノン・ダイアトニックコードですが、「パッシング・ディミニッシュ」という理論によって成り立っています。

#Ⅳ度のコードとしてよく使用されるのは上記のように#Ⅳdim7なのですが、実はそれ以外にも#Ⅳ度に当てはまるコードがあるのをご存じですか?

#Ⅳ度に関係するコードを正しく知って、しっかり使いこなしましょう!

#Ⅳ度にまつわるコード

では実際どんなコードが#Ⅳ度で使用されているのか見ていきましょう。

#Ⅳdim7

ディミニッシュ7thコードは4音全ての距離が短3度(あいだに鍵盤2つ)で構成されているコードです。

Key=Cの#Ⅳdim7はF#dim7ですね。

上記でも紹介したパッシング・ディミニッシュとはポップスでもたびたび耳にするコード進行で、半音上もしくは半音下から次のコードにアプローチします。

今回の場合はⅤ7に向けて半音下からアプローチしていますね。

#Ⅳm7(b5)

マイナーセブンス・フラット5コードは「1、b3、b5、b7」の音によって構成されるコードで、Key=Cにおける#Ⅳm7(b5)はF#m7(b5)です。

同じルートから始まるディミニッシュ7thコードと比べると、4音中3音が同じという特徴も持っています。

そのため別名「ハーフ・ディミニッシュ」とも呼ばれていて、パッシング・ディミニッシュの代わりに使用されることも多いコードです。

そしてⅣ-#Ⅳ-Ⅴの場面に当てはめるとディミニッシュ7thよりも音の変化が少なく、実はこちらの方が滑らかにサウンドが移り変わるんですよね。

Ⅱ7/#Ⅳ or Ⅱ/#Ⅳ

正規のドミナントであるⅤ7に向かうセカンダリー・ドミナントであることからダブル・ドミナント(ドッペル・ドミナント)とも呼ばれるⅡ7コード。

その3度をルートにしたバージョンがⅡ7/#Ⅳで、それをさらにシンプルにしたのがⅡ/#Ⅳです

#Ⅳ度コードのサウンドの違い

ここまで3種類の#Ⅳ度コードをご紹介しました。

この3種類はどのように違い、実際の曲中ではどのように使い分けられているのでしょうか。

共通音と特徴

まずは3つのコードの特徴を考えましょう。

Key=Cで考えた場合「F#dim7」「F#m7(b5)」「D7/F#」となり、ファ#・ラ・ドの3音は共通しています。

つまり第4音目がそれぞれのコードの特徴ということになり、

  • F#dim7   ⇒ ミb
  • F#m7(b5) ⇒ ミ
  • D7/F#   ⇒ レ

となります。

コードを正しく聴き取ろう!

まずピアノやギターによってコードが演奏されているなら、今まで以上にしっかりコードサウンドを聴きましょう。特にそれぞれの特徴である第4音目を重点的に。

コードだけで判別がつかなければ、歌やストリングスなどのメロディーと総合して聴くと一つのコードに絞れることが多いです。

まとめ

いかがでしたか?

楽譜作成のレベルアップさせるため、ぜひ気を付けてみてください!

さまざまな理論や楽譜の書き方などより実践的な内容に興味がある方は、ぜひ濱田卓也ピアノ・キーボードスクールでレッスンを受講してみてください。

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