ピアノとキーボードの違いとは?楽器を選ぶ方法とオススメピアノ&キーボードを紹介!

楽器屋に並ぶキーボード

「ピアノとキーボードってどう違うの?」
「ピアノが弾きたいけど家にスペースがない」
「バンドで使う楽器を買いたいがどれを買えばいいの?」

鍵盤楽器の名前としてよく聞く「ピアノ」と「キーボード」、この二つの違いを正確に理解していますか?習ってみたいけどどんな楽器を買えばいいか分からず、迷っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では10年に渡ってピアノレッスンを行っている筆者が、ピアノを教える生徒に度々質問されるピアノとキーボードの違いについてお答えするとともに、ピアノとキーボードそれぞれのおすすめ楽器をご紹介します!

ピアノとキーボードの違いとは?

ピアノとキーボードの違いとは?

実は音楽における本来のキーボードの意味は鍵盤を有する楽器全般を指すので、ピアノもキーボードの仲間ということになります。

しかし一般的にキーボードと呼ばれているのはライブハウスやスタジオなどでバンド演奏に使用される、少数の薄手の鍵盤を搭載したピアノ以外の音を出す電子鍵盤楽器を指します。

キーボードにはミュージシャンの世界で「シンセサイザー」と呼ばれているものから、家電量販店でも手に入るおもちゃに近いものまで様々です。シンセサイザーとは電子回路を用いて作成した音を合成して、様々な音を出すことが出来る楽器のことを言います。様々な楽器の音を搭載し演奏できるため、バンド内では便利屋のような役割を担うことも多いです。

対してピアノといえばグランドピアノやアップライトピアノ、電子ピアノ(デジタル・ピアノ)などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ピアノという楽器そのものか、電子的にピアノの音を解析しピアノの演奏に特化させた電子楽器が一般的にはピアノと呼ばれます。

家庭用のものを電子ピアノと呼び、ライブハウスやスタジオで使用されものをエレピ(エレクトロニック・ピアノ)やステージピアノと呼び分ける傾向があります。

音色の違い

ピアノ

グランドピアノ

グランドピアノやアップライトピアノのアコースティックピアノの音色が一般的にはピアノと呼ばれる音色です。

家庭での練習によく使用される電子ピアノや、音楽スタジオ・ライブハウスに設置されているステージピアノ・エレピ(エレクトロニックピアノ)と呼ばれる楽器にも、アコースティックピアノの音色がシミュレートされて搭載されています。

またアコースティックピアノと似た構造を持ちピックアップによって音を増幅することのできるエレピ(エレクトリックピアノ)も、アコースティックピアノの音色とは違いますがピアノの仲間と認識してよいでしょう。

キーボード

シンセサイザー

キーボードにはピアノ音色以外にも数多くの音色が搭載されています。

その音色は同じ鍵盤楽器のオルガンやチェンバロ、クラヴィネットをはじめ、サックスやトランペットなどの管楽器やヴァイオリンやギターなどの弦楽器、ドラムやパーカッションなどの打楽器、シンセサイザー特有の電子音など多岐に渡ります。

そのためピアノ音色だけにとどまらず様々な音色が必要とされるバンドでの演奏や、楽曲制作などで使用されることが多いです。

鍵盤の違い

ピアノとキーボードのもう一つの違いは鍵盤の数と種類です。

アコースティックピアノには88鍵の鍵盤があります。なのでピアノを演奏することを目的とした楽器には同じように88鍵のピアノ用鍵盤が搭載されています。鍵盤を正面から見ると下部まで覆われた四角い形が特徴です。

ピアノの鍵盤
シンセサイザーの鍵盤

対してキーボードは61鍵や76鍵などのモデルが主流であり、中には40鍵ほどしかないものもあります。鍵盤数から見てもピアノを弾くことを主目的にしていないことがわかります。鍵盤の作りもピアノより随分薄かったり、似た形をしていても演奏してみると非常に軽いタッチで制作されていることがわかると思います。

ピアノかキーボードどちらを選ぶか?

ピアノとキーボードどちらを選ぶのかは用途や目的によって決めるとよいです。

  • メインで弾きたい音色は何か?
  • ひとりでピアノを楽しみたいのか?それともバンドに参加したいのか?
  • 部屋のスペースはどれくらいか?

このあたりから優先順位をつけて決定してはいかがでしょうか。

キーボードでピアノは練習できるか?

結論から言うとキーボードでピアノの練習は個人的には可能だと思います。

ただし条件によるところがあり、これから初めてピアノを習うという方でクラシックを演奏したい方は可能な限りアコースティックピアノ、最低でも88鍵のデジタルピアノである必要があるでしょう。

邦楽や洋楽の曲をコードで演奏したりピアノでの弾き語りがしたい場合は、できれば88鍵のエレクトロニックピアノが望ましいですが、キーボードでも最初のうちは満足できるかもしれません。

最近のキーボード、中でもシンセサイザーはアコースティックピアノの音色が飛躍的に良くなっています。鍵盤もピアノ用鍵盤と違うものの、以前と比べるとそれなりに反応も良くなっています。

過去にピアノ経験がある方には物足りないかもしれませんが、初めて間もない頃ならキーボードでも問題ないのではないかと思います。

10年近くピアノと同様に教室などでキーボードを教えていますが、ほとんどの生徒さんはピアノと同じ内容を習っておられます。

おすすめピアノ&キーボード

2021年3月執筆

ピアノ

CASIO ( カシオ ) / PX-S1000BK 電子ピアノ

CASIO ( カシオ ) / PX-S1000BK 電子ピアノ

CASIO ( カシオ ) / PX-S1000BK 電子ピアノ

CASIOのデジタルピアノ「Privia」シリーズの最新モデルです。寸法が1,322 × 232 × 102 mmと非常にコンパクトで、部屋のスペースが気になる方におすすめです。

KORG ( コルグ ) / D1 ステージピアノ、電子ピアノ

KORG ( コルグ ) / D1 ステージピアノ、電子ピアノ

KORG ( コルグ ) / D1 ステージピアノ、電子ピアノ

最近のコルグは音源が非常に良く、アコースティックピアノはもちろんエレクトリックピアノの音も最高に弾き心地が良い音色になっています。

中でも「D1」はスリムなボディと手ごろな値段で人気の機種で、家庭での練習用はもちろんライブハウスなどのステージでも即戦力の楽器です。

この価格帯の楽器としては破格のスペックだと思います。

YAMAHA ( ヤマハ ) / CP88 88鍵盤ステージピアノ

YAMAHA ( ヤマハ ) / CP88 88鍵盤ステージピアノ

YAMAHA ( ヤマハ ) / CP88 88鍵盤ステージピアノ

YAMAHAのステージピアノの「CP」シリーズの最新作である「CP88」は、YAMAHAの技術が詰まった機種です。

ピアノメーカーであるYAMAHAの強みを生かしたアコースティックピアノの音色は、ナチュラルで音なじみの良い非常に優れた音源です。また「CP88」は木製グレーデッドハンマー鍵盤を搭載しており、よりアコースティックピアノに近い弾き心地を再現しています。

ステージでの活躍は申し分なく、第一線で活躍するポップス畑のピアニストたちにも愛用されている名機です。

キーボード

YAMAHA ( ヤマハ ) / NP-32B ピアノ風キーボード

YAMAHA ( ヤマハ ) / NP-32B ピアノ風キーボード

YAMAHA ( ヤマハ ) / NP-32B ピアノ風キーボード

名前の通りYAMAHAのピアノ風キーボードです。

ピアノ鍵盤に似ていますが全く異なる演奏感で、ピアノ経験者にはかなり物足りない鍵盤です。しかしYAMAHAならではのピアノ音色は申し分なく、趣味で弾きたい方には十分に使える代物です。

また5.7kgという軽さと単3電池×6本の電池駆動も強みなので、ストリートライブがしたいボーカリストにもおすすめです。

YAMAHA ( ヤマハ ) / MOXF6 61鍵キーボードシンセサイザー

YAMAHA ( ヤマハ ) / MOXF6 61鍵キーボードシンセサイザー

YAMAHA ( ヤマハ ) / MOXF6 61鍵キーボードシンセサイザー

YAMAHAのフラグシップモデルだった「MOTIF XF」と同等のサウンドエンジンを搭載した「MOXF6」。メジャーのアーティストの演奏でも使用されている「MOTIF」シリーズの音源は素晴らしく、即戦力の1000以上の音色が演奏可能です。

バンドでの演奏はもちろんのことピアノ音色も良いので、手始めにピアノを練習するのにも最適です。

HAMMOND ( ハモンド ) / SK1

HAMMOND ( ハモンド ) / SK1

HAMMOND ( ハモンド ) / SK1

オルガンで有名なHAMMOND社が発売したライブパフォーマンスに特化したステージキーボードです。

オルガン音色が最高なのはもちろんのこと、非常に良いアコースティックピアノやエレクトリックピアノ音色、少数のシンセ音も搭載し総合能力の高い素晴らしいキーボードです。

まとめ

ピアノとキーボードの違いは理解いただけましたか?

最後に表にまとめてみます。

ピアノキーボード
鍵盤数88鍵61鍵 or 76鍵など
鍵盤の種類ピアノ用鍵盤薄手の軽い鍵盤
音色ピアノ音色がメインピアノ音色以外も充実
用途ピアノの練習・ピアノの練習
・バンド演奏

ぜひ楽器選びなどに活かしてください!

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