ピアニストがキーボーディストになるには【知識・スキル編】

以前に書いたピアニストがキーボーディストになるには【入門編】という記事で、「キーボーディストとはどんなミュージシャンか」「どんな楽器を演奏するのか?」についてを入門編と題してご紹介しました。

この記事では前回の記事をもとに、キーボーディストに必要な知識とスキルについてご紹介したいと思います!

キーボーディストに必要な知識やスキル

キーボーディストは多種多様な楽器を再現したり、デジタルで制御されたキーボードを扱ったりします。

そのためピアニストと違って演奏技術を高めるだけでなく、さまざまな知識や演奏以外のテクニックが必要になるんです。

知識編

さまざまな楽器について

キーボーディストは鍵盤楽器以外の楽器も演奏することがあります。

扱ったことのない楽器の演奏を再現するには、せめて音色の特徴や音域、奏法を知らないといけません。

例えば管楽器を再現するとしてソロで演奏するか、ホーンセクションとして演奏するかで音色のキャラクターは大きく変わります。

またストリングスもピッチカート奏法やレガート奏法のようにたくさんの奏法があり、奏法が違えばサウンドや得られる効果も変わってくるんです。

既存曲をカバーする場合には楽曲に使用されている楽器を聴き取って音色や特徴が最も近いと思う音を選択し、時にはより似せるために加工する必要があります。

エフェクト

音色にさまざまな効果を与えるエフェクト。

ギタリストが使うイメージのあるエフェクターですが、キーボーディストにもぜひ知っておいてほしい知識の一つなんです。

「リバーブ」「ディレイ」「コンプレッサー」など、挙げればきりが無いほどたくさんの種類がありますよね。

1970年代に流行したエレクトリックピアノやアナログシンセサイザーにはエフェクターは欠かせませんし、現在では元々は加工されることのなかった音色にもエフェクターを使い新しいサウンドが生まれ続けています。

MIDI

1990年代のキーボーディストや作曲家、アレンジャーには必須だったのがMIDIの知識です。

電子楽器同士を繋ぐための規格でデジタルピアノでいうと、「どの鍵盤をどれくらいの強さで弾いたか」などの演奏情報をMIDIケーブルを使って伝達します。

現在ではUSBケーブルが発達したことによりMIDIケーブルの出番は大分と減ってはいますが、MIDIの規格を使っていることに変わりありません。

今でもDAWを使用する上でMIDIデータのやり取りは欠かせませんし、ライブなどの現場レベルでも複数台のキーボードを繋いで音をレイヤーしたり、同時に複数のキーボードをコントロールしたりとまだまだ使える便利な代物なんですよね。

スキル編

複数音色・複数台キーボード弾き

バンドにおけるキーボーディストはピアノ&ストリングスやエレクトリックピアノ&シンセリードなど、複数の音色を同時に演奏する能力を求められます。

イントロや間奏のメロディがストリングスだったりキメにブラスセクションが重なっていたりと、メインの伴奏となるピアノ以外にも音色が必要な場面がありますよね。

そのため原曲の雰囲気をいかにして再現するかが、キーボーディストには悩みのタネなんです。

大きなライブではキーボーディストが2人いるような贅沢な現場もありますが、大抵の場合は1人でこなさなければいけません。

そのため複数台のキーボードを用意したり一台のキーボードの鍵盤をスプリットしたりして、右手と左手でキャラクターの違う音色を弾き分ける必要があるんですよね。

鍵盤以外のコントローラー

シンセサイザーやその他の鍵盤楽器には、アコースティックピアノにはない操作が必要になることがあります。

音色の音程を変化させるピッチベンドやエフェクトを変化させるモジュレーションなど、演奏後の音を変化させるコントローラーがシンセサイザーにはたくさん装備されています。

特にシンセリードを演奏する際には音のしゃくりや揺らぎを表現するため、ピッチベンドやモジュレーションの操作は欠かせません。

またオルガンにはレズリースピーカーを操作するためのON/OFFスイッチや、ボリューム奏法に必要なエクスプレッション・ペダルの操作が必要です。

このように鍵盤以外のコントローラーを操作するテクニックが、キーボーディストには求められるんですよね。

まとめ

シンセサイザーをはじめとするキーボードは、ピアノが弾けるからといって演奏できるわけではありません。

楽器を扱うため、演奏するために知っておくべき知識やテクニックがたくさんあるんですよね。

ぜひこの記事を参考にピアニストとしてだけでなく、キーボーディストとしても必要とされるプレイヤーを目指して練習に励んでください!

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