【ペダリング】サスティンペダルを正しく踏めていますか?【ピアノ伴奏】

ピアノ伴奏をする時、あなたは正しくサスティンペダルを使えていますか?

よくわからないままなんとなく踏んでしまっていませんか?

過去にピアノを習っていた人でも正しくペダリングを理解している人は意外と少ないんです。

正しいタイミングでペダルが踏めていないと、せっかくの効果が半減してしまうこともあります。

では正しいペダリングとはどんなタイミングでペダルを踏むことなのでしょうか。

実はサウンドを壊すことなく最大限に効果を発揮できるペダルの踏み方は一つしかないんです。

この記事ではポップスやロックの伴奏における、「サスティンペダル」の正しい使い方を紹介します!

ピアノのペダルについて

ピアノにはサスティンペダルを始めとする、さまざまな役割を持つペダルが装備されています。

グランドピアノやアップライトピアノに取り付けられたペダルは通常3つですが、古いピアノにはペダルが2つしかないタイプもあるんです。

グランドピアノに装備されたペダルの種類は、右から順に「サスティンペダル」「ソステヌートペダル」「ソフトペダル」が一般的ではないでしょうか。

アップライトピアノの真ん中のペダルは「ソステヌートペダル」ではなく、代わりに「マフラーペダル」と呼ばれる消音用のペダルが取り付けられています。

ポップスやロック、ジャズの演奏においてはほぼ一番右側のサスティンペダルしか使用しないので、この記事ではその他のペダルの詳細な解説は省こうと思います。

ライブなどで使用するデジタルピアノは、そもそもサスティンペダルしか用意されていない機種も多いですよね。

またサスティンペダルの機能の一つである「ハーフダンパー」もこの記事では割愛します。

サスティンペダルとは

ピアノに装備されている一番右側のペダルのことで、「ダンパーペダル」とも呼ばれています。

デジタルピアノで使用するペダルはケーブルを接続して使用するタイプなので、デジタルピアノの背面などに「Sustain」や「Damper」と表記された差し込み口があります。

そもそも「サスティン」とは音が伸びる効果の名前で、サスティンペダルを踏んでいる間は鍵盤から指を離しても音が止まることなく伸びる効果があるんですよね。

サスティンペダルの効果

サスティンペダルを踏むことによって起こる効果は全部で2つあります。

一つ目は先述した通り「音が伸びること」です。

ピアノ弦には通常フェルトが触れていて、打鍵している間だけフェルトが鍵盤から離れるため音が出る仕組みになっています。そして鍵盤の位置が元に戻ると再びフェルトに触れ、振動が止まるため音も止まります。

サスティンペダルを踏むとこのフェルトが弦に触れなくなり、鍵盤の位置が元に戻っても音が止まらず減衰に任せて音が伸びるというわけです。

もう一つは「響きが豊かになること」です。

音がフェルトに止められずに伸びたことによって弦の振動がほかの弦にも伝わる共振が起こり、響きが広がり豊かになるという効果も得られるんです。

サスティンペダルを踏むメリット・デメリット

では具体的に演奏でペダルを使うことのメリットとデメリットを考えてみましょう。

メリット

ピアノ演奏のテクニック面において音が伸びることで得られるメリットは、

  • コードチェンジが楽になる
  • 一度に押さえられない音を積み上げられる

の二つではないでしょうか。

鍵盤から手を離しても音が途切れないので、余裕をもって次のコードに移ることがでるというのがひとつ。

ふたつめは一度には押さえられない数の鍵盤を打鍵することで響きを豊かにしたり、オクターブ以上の高低差のあるフレーズでも焦らず演奏できることです。

デメリット

対してデメリットはというと、

  • 歯切れが悪くなる
  • 打鍵する時間が短くなる

の二つだと思います。

メリットであることも見方を変えればデメリットになり得ます。

音がつながることによって滑らかに聴こえる反面、アタック感が無くなってしまうので歯切れが悪くなったともいえますよね。

もうひとつは素早く次のコードに移るのに慣れ過ぎてしまうと、鍵盤に指を置いている時間がどんどん短くなってしまいます。

これによって演奏された音は薄っぺらく落ち着きのないサウンドになってしまう可能性があるんです。

サスティンペダルを正しく踏もう

サスティンペダルの失敗例

まず下記の2つの演奏を聴いてみてください。

いかがですか?

①は打鍵する瞬間にペダルを踏んだ場合です。

図で表すのはなかなか難しいので、DAWの画面でご説明します。

演奏はペダルが早く解除されているせいで、次の音が鳴る前に音が途切れてしまっています。

これではせっかくのペダルの効果が台無しですよね。

それに対して②の演奏はペダルの解除が間に合っていない場合です。

ペダルを長く踏み過ぎていてコードが変わった瞬間に一瞬音が濁ってしまっています。

サスティンペダルは打鍵する瞬間に離そう!

では正しいサスティンペダルのタイミングとはどこなのでしょうか。

それは

「鍵盤を打鍵する瞬間にペダルを解除し、弾いた後で踏み直す」

です。

ほとんどの人はペダルを踏むことに意識が行きがちですが、それよりも大事なのはペダルを解除するタイミングの方なんです。

音を途切らさず、さらに濁らさずに演奏できるペダルのタイミングはそこしかありません。

上記の画像通りに演奏するとこうなります。

美しく響いていて、正しくペダリングできていることがわかりますよね。

惜しい失敗例

せっかく正しいタイミングで踏めていても音が濁ってしまう場合があります。

それはペダルの解除がうまくできていない場合です。

焦ってペダリングをするあまりペダルを離しきれていないまま踏み直してしまうと、音が濁ってしまうんです。

上記の画像のように演奏するとこのようになります。

結果として一番濁って聴こえてしまい、サウンドを壊してしまっていますよね。

サスティンペダルを踏まない勇気も必要

さて、ここまで正しいペダリングのタイミングをお伝えしてきましたが、ペダルに頼らない演奏法もマスターしておくべきだと思います。

  • リズミカルなビートの楽曲のバッキング
  • 歯切れよく聴かせたいフレーズ
  • 踏みかえが複雑でどうしても濁ってしまうパート

など、演奏する楽曲によってはペダルを使わない方がカッコよく演奏できる可能性もあるからです。

一度ペダルを踏むことに慣れてしまった人は、深く考えずどんな曲でもペダルを踏んでしまいがちです。

その演奏に本当にペダルが必要かをしっかり考えて、自分の演奏に責任を持ちよりカッコよく、より美しくプレイできるピアニストを目指してください!

まとめ

「正しく踏めているか不安」「このフレーズの場合はどう踏んだらいいの?」など具体的で専門的なことが知りたい方は、よかったらレッスンを受けてみませんか?

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