【単調なソロから脱却!】ソロ練習法~チェンジアップ~

ファンクセッションで演奏される曲のソロパートは、俗に「X times」と呼ばれる回数無制限のソリストの気がすむまで演奏が続く場合が多いです。

つまり回数も小節数も決まっていない状態でソロを演奏し、場面を展開しながら最後にはソロを終わらせないといけないというわけです。

これが意外と難しく、苦手意識を持ってしまってファンクセッションを楽しめずにいる人もいるのでは無いでしょうか?

この記事ではそんなX timesのソロを攻略するための「チェンジアップ」と呼ばれる練習法をご紹介します!

チェンジアップとは

「チェンジアップ」とはアドリブソロに展開を作るための練習法です。

チェンジアップをマスターすると、

  • ソロに山場を作り、ドラマチックにソロパートを演出
  • バンドと「音」で会話し、指揮者のようにバンドをコントロール

することができるようになります。

後述する良くない3種類のソロの取り方を解消することができる練習法が「チェンジアップ」なんです。

アドリブソロの良くない演奏例

まずは良くないソロの演奏を考えてみましょう。

人の演奏を聴いていて面白くないな、と感じるソロとはどんなソロでしょうか?

盛り上がりに欠ける

よくセッションなんかで見かけるのが、ずっと同じ調子で弾き続けてしまう盛り上がりに欠けた演奏です。

このタイプに多いのは「最初から弾きまくってしまって失速してしまう」「ギャップを作れず単調になってしまう」という場合です。

X timesを任されたソリストはソロパートの中で展開を作り、クライマックスを迎えるようにソロを導かなくてはなりません。

上記の2タイプのソロはどちらもクライマックスを作れず終わってしまうので、盛り上がりに欠けたソロに感じてしまうんです。

バンドとの一体感がない

次によく見かけるのがバンドとの一体感が感じられないソロです。

バッキングをするバンドメンバーたちはソリストの演奏を真剣に聴いています。

なぜかというとその内容に合わせて演奏内容を変えるからなんです。

つまりソロ自体が単調だとバッキングも単調になりやすく、全体のサウンドも盛り上がりに欠けたものになってしまうんですよね。

ソリストは「オーケストラの指揮者」や「船の船頭」と同じで、バンドをコントロールしてソロパートを掌握しなければなりません。

不安が伝わってくる

最後は聴いている人にも不安が伝わってくるソロです。

不安が伝わってくる状況で最も多い場面はソロの終盤、まさにソロが終わろうとしている時で、単調なソロを弾いてしまった時に最も困るのが「どう終わるか」ということなんですよね。

終わりたいという意志がバンドに伝わらず、ソリストはソロをやめているのにバンドは終われていないという「何も起こっていない瞬間」が生まれてしまうことがあります。

そんな時にどうしたらよいか分からず、不安に感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

ステージで演奏しているメンバーが不安に感じていることが、聴いている人にも伝わってしまうのは良くないですよね。

ソロを終わらすのもソリストの仕事なのですが、うまく終結させるのも意外と難しいんです。

チェンジアップのやり方

では具体的に「チェンジアップ」とはどんな練習法なのかを説明していきましょう。

チェンジアップの段階

ソロパートを3段階に区切り、後半に向けて盛り上がるようにソロ内容をコントロールしながら演奏します。

1段階目

ソロの入り口なので一番落ち着いた雰囲気のサウンドを目指します。

  • 音価の長い音符を使用する
  • フレーズとフレーズの隙間をたっぷりとる
  • 優しいタッチで演奏する

2段回目

冒頭より少し展開して段階を一つ上げましょう。

ギャップを生かしてサウンドを変化させます。

  • 8分音符を主体にフレーズを構築する
  • タッチを強くし歯切れよく演奏する
  • 冒頭と演奏ポジションを変える

3段階目

最も盛り上がった段階なので遠慮なくガンガン弾きましょう。

  • 16分音符を主体にフレーズを構築する
  • 連打やオクターブ奏法など盛り上がり感のある奏法を使用する
  • アクセント移動やリズムアプローチを使用する

チェンジアップの効果

チェンジアップをマスターすることで、ソロの盛り上がりをコントロールすることができます。

それによって先述した良くないソロの例を解消することができるんです。

盛り上がりが作れる

チェンジアップによって段階を付けたソロを演奏できるようになるので、自然と盛り上がりが作れるようになります。

バンドをコントロールする

慣れてくると自分の好きなタイミングで段階を上げることができるようになります。

そのためには段階を切り替えたいタイミングの少し前から、次の段階を感じさせるフレージングでソロを演奏する必要があるんです。

そのフレージングを聴いて、バンドも演奏の熱量を上げることができます。

ソロを終結させられる

チェンジアップを練習すると、ソロパートの演奏を盛り上げるだけでなく落ち着かせることもできます。

最大に盛り上がってる3段階目の状態から急激に1段階目にすることによって、バンドにもソリストがソロを終わらせたがっていることが伝わります。

まとめ

ソロを展開させるカギとなるのは「ギャップ」です。

X timesのソロパートを攻略するには「ギャップ」を使いこなすことが必要不可欠で、そのためには「チェンジアップ」は最適の練習法なんですよね。

なかなか言葉だけでは理解しづらいことだと思うので、実践的に学びたい方はレッスンを受けてみませんか?

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