もくじ
作曲とは
作曲とは文字通り「曲を作り生み出すこと」です。
「既存の楽曲を演奏するならまだしも、自分で新しい音楽を生み出すなんてどうしたらいいの?」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
絵や彫刻のような美術や、演劇・舞踊などの芸術とは違い音楽には目に見える形がありません。ゴールが見えてもそこまでの道筋に、どうやって最初の一歩を踏み出せばいいのかわからないですよね。
この講座では今までセンスで片付けられていた作曲の方法を、できるだけわかりやすく解説します!
楽曲構成する要素
楽曲を構成する要素は大きく分けると、
- メロディ
- ハーモニー
- リズム
の3種類に分けられます。
もちろんジャンルや演奏する編成などによってはこれに当てはまらない楽曲も当然存在するので、あくまで大多数の楽曲が持つ要素とお考え下さい。
次の章ではまずひとつ目の要素『メロディ』について解説していきたいと思います。
メロディ編
良いメロディとは?
突然ですが「良いメロディ」とは何でしょうか?
なかなかに難しい問題ですね。
もちろん答えは一つではないですが、確実に言えることは「いいメロディは記憶に残る」ということです。
世の中にある名曲と呼ばれる楽曲たちは、みな口ずさめるようなキャッチ―で印象深いメロディを持っていますよね。
メロディ編ではどうしたらキャッチ―で印象深いメロディを作れるのかを研究してみましょう。
調の決定
メロディを作り出す前にまず行ってほしいのがKeyの設定です。
これから始めて作曲に挑戦する人や、初めて間もない人は簡単なKey=C(ハ長調)で作ることをオススメします。ピアノでいうところの白鍵のみで演奏できるKeyですね。
作曲しなれてきた人や自分が歌う高さで作曲したい人、楽器でメロディを演奏するインスト曲を作曲する人は、それぞれにあった高さでの作曲に挑戦しましょう。
そして最初に使う音の並びはメジャースケールの7音から始めると、比較的作曲しやすいのでオススメです!(メジャースケールがわからない人は調べてみてね)
メロディは短いフレーズの繰り返し
さて名曲たちのメロディがなぜキャッチ―で覚えやすいかというと、実は短いフレーズを繰り返しているからなんです。
多くの曲のメロディは最初に提示された短いフレーズを繰り返して展開させ、最後にフレーズを変えることで終息させています。
フレーズの繰り返し方にはいくつかパターンがあるので、ひとつづつ紹介していきましょう。
完全なる繰り返し
メロディラインもリズムも全く同じように繰り返すパターンです。
DREAMS COME TRUE 『何度でも』
DREAMS COME TRUE『何度でも』のサビでは、これでもかと同じフレーズを繰り返し最後のフレーズだけ変えることによって終息させています。
フレーズのモーションだけ繰り返し
最初に提示したフレーズの大まかな動きだけをトレースして、音程は変わっていくパターンです。
秦基博さん『ひまわりの約束』
秦基博さんの『ひまわりの約束』ではAメロのメロディが、フレーズのモーションだけ繰り返しになっています。
中島みゆきさん『糸』
中島みゆきさんの『糸』では、サビの冒頭のフレーズが違う高さでトレースされています。
フレーズの展開部分の語尾が変形
最初に提示したフレーズの展開部分で、語尾に変化を加えたパターンです。
B’zの『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』
B’zの『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』ではサビの最初のフレーズが繰り返されますが、後に続くフレーズとその次のフレーズでは語尾を変更しています。
音の流れ
おおまかなメロディの作りについての説明はわかっていただけたかと思うので、次は実際に使用するメロディの音についての話です。
メロディはもちろん音から音へ移り変わっていくことによって生まれます。
音の移り変わりには上昇、下降、維持の3種類しかなく、すべてのメロディはこのどれかに当てはまります。
そしてこれらの動きには直感的な、
- 上昇…高揚、緊張感
- 下降…穏やかさ、緩和
- 維持…安定、落ち着き
のような感覚を持つことがあり、それをもとにしてメロディ作りを行うことも少なくありません。
とは言ったもののほぼ個人個人の感覚によるものなので、深く考える必要はあまりないかもしれませんね。
音の跳躍
実際に音が変わる上昇と下降には隣の音に移る場合と、それ以上の距離に移動する場合の2種類に分けられます。
音の移動距離は近ければなめらかで穏やかなメロディに、遠ければパワフルで激しいメロディとなります。
なのであまり移動距離が遠いフレーズが続くと聞いていて疲れてしまいますし、近すぎても単調なフレーズになってしまうため、どちらもオススメはできません。
つまり程よく両方が混じっていてここぞというタイミングで跳躍を使用すれば、印象にも残りやすいということですね!
ASIAN KUNG-FU GENERATION 『リライト』
Aメロ冒頭の2音が中程度の跳躍をしたあとは、なめらかな音の移り変わりなので比較的穏やかなサウンドです。 その後、最大の跳躍をしてサビに突入しているため疾走感と力強さを感じますよね。
メロディと伴奏の関係性
伴奏とのタイミング
メロディが始まるタイミングも重要なポイントです。
タイミングとはメロディと伴奏とが、どのような位置関係で演奏されるかを示したものです。
タイミングも先述の音の流れと同じく3種類しかなく、
- 伴奏と同時
- 伴奏より前
- 伴奏より後
に限られます。
もしAメロもBメロもサビも同じタイミングでメロディが始まっていたら、単調に感じてしまうかもしれません。
なのでAメロが同時なら、Bメロは後、サビは前にするなど、工夫が必要になるのです。
もちろんあくまで1例なので他にもいっぱい組み合わせはありますし、何ならカッコよければAメロもBメロもサビも同じタイミングだって全く問題ありませんよ!
単純なメロディ
メロディには単純な繰り返しが効果的なのは、フレーズの繰り返しの章で説明したとおりです。
さらに極論を言うと同じ音の繰り返しやロングトーンで伸ばしたままのメロディでも、伴奏次第でカッコイイ楽曲になるんです。
Antônio Carlos Jobim『One Note Samba』
ボサノバの名曲『One Note Samba』は曲名の通り、メロディが1音で進んでいくことで有名な楽曲です。
Deep Purple『Burn』
ハードロックの有名曲『Burn』のサビは怒涛のロングトーン。コードが変わる間も伸ばし続ける迫力のサビです。
空間の多いメロディ
楽曲のジャンルやテンポによってはフレーズとフレーズの間にわざと空間を開け、伴奏を聞かすようなメロディにすることもあります。
特にディスコ・ミュージックやクラブ・ミュージックなどのダンス・ミュージックによく見られます。
サカナクション『新宝島』
メジャースケール以外を使ったメロディ
ここまではメジャースケールが前提のメロディ作りの話をしてきましたが、もちろんそれ以外のスケールだってたくさんあります。
それらを使うことによって、よりジャズっぽくなったりロックらしくなったりすることもあるし、沖縄民謡っぽくなったり中国やインドなどの民族音楽らしいサウンドになったりするんです。
ここで詳しく触れることはやめておきますが、もし興味がある人はそれらしいスケールを探してみてください。
まとめ
ひとまずメロディ編はここまで。
次回はハーモニー編へと続きます!
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